兵庫県加西市は23日、国民健康保険(国保)の保険料で、高校3年生までの均等割を全額免除すると発表した。子育て世帯の負担軽減が狙いで、3月末時点の対象は341世帯589人。事業費は年間約1600万円に上るといい、全額免除は県内で初めてという。
国保の保険料は、所得を基にした「所得割」や加入者の人数による「均等割」、1世帯当たりの負担「平等割」などの加算で決まる。社会保険の保険料は加入者数で変化しないが、国保は収入のない子どもが増えるに従って加算される仕組みで、全国知事会や全国市長会が制度の改善を要望している。同県赤穂市など独自に軽減措置を設ける市町村も増えているという。
加西市では0歳~高校3年生が対象で、世帯所得による軽減措置を受けていない場合、年間で1人3万6千円の減免となる。申請手続きは必要なく、4月までさかのぼって適用する。事業費には、国民健康保険特別会計の基金や交付金を充てる。
加西市の西村和平市長は「社会保険と国保との差が大きすぎる。本来、国が対応すべきだと考えるが、先行自治体の仲間入りをすることで国を動かしたい」としている。(小日向務)