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県立ひょうごこころの医療センター 木下直俊医師
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県立ひょうごこころの医療センター 木下直俊医師

 長期休みが明けた子どもの様子で注意したいポイント、しんどさを訴えた際の対応方法について、兵庫県立ひょうごこころの医療センターの木下直俊医師(49)に聞きました。

 -子どもにどんな変化が?

 「環境や状況の変化に柔軟に対応できず、誰にも言い出せないまましんどさを抱える子もいれば、反対に、園や学校に行くのがしんどかったのが、休みを経て気持ちが楽になった子もいます。個別性が大きいので一人一人をよく見てあげて」

 -子どもがしんどさを訴えてきたとき、どうしたら?

 「一番大事なのは親が自分の意見を言わず、本人の気持ちを受け止めることです。『しんどいんだね』と寄り添い、できればどんなことを感じているのか、体の具合はどうなのか、具体的に聞いてみてください。何をしんどいと感じているのか、きっかけがあるはず。状況を把握することを優先して」

 -アドバイスはダメですか。

 「『こうしてみたら』というアドバイスや提案には、『変わってほしい』というメッセージが少なからず入っています。自己肯定感がそれほど低くない場合は大丈夫ですが、かなり落ち込んでいる子にとっては逆効果になってしまいます」

 -本当に落ち込んでいる子どもにどう声を掛けたら?

 「既にその子ができたことを褒めてあげて。『しんどいことを教えてくれてありがとう』が一番いい。『生きててくれてありがとう。今のあなたのままでいいんだよ』というメッセージを伝えてください」

 -しんどさを訴えない場合はどうしたら。

 「まず気付かないといけませんね。食欲が落ちる、朝起きにくいといった身体的な変化、イライラしてる、口調が荒いなど行動面の変化に注意してほしい。気付いた時には『しんどそうだね。心配しているよ』と伝えてください」

 -早めの対応が大切とか。

 「問題を封印して園や学校に行かせると、何年か後に影響が出て、長引く可能性もあります。通い始めた後もしんどかったことがちゃんと改善しているのか、先生と連携しながら確認して。親自身も抱え込まず、子どもが打ち明けやすい環境を整えてあげることが肝心です」

【きのした・なおとし】1970年西宮市生まれ。大阪大医学部卒業後、小児科医や児童精神科医として大阪府内の病院などに勤務。2016年4月から現職。神戸市在住。

 

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