兵庫県内は21日、各地で気温が上昇し、20ある観測地点のうち19地点で今年の最高気温を更新した。梅雨明け前から夏本番の暑さとなる中、同県太子町の製氷工場では飲料用かち割り氷の出荷が最盛期を迎えている。巨大な氷柱が一口大に砕かれ、アイスコーヒー用のカップ氷として涼を届ける。
本田冷蔵(姫路市網干区)の太子工場は1日110トンの純氷を製造。近年はコンビニ向けカップ氷の取引が急増し、全体の9割以上を占めている。
例年、梅雨明け後の出荷量は最大1日200トンに急増するため、春から24時間フル稼働で貯蔵を進めてきた。倉庫にずらりと並ぶ氷柱がうっすら青く見えるのは、ミネラルを含む伏流水を使うからだという。本田明良社長(72)は「真夏に癒やしを届けられるようきっちり準備したい」と話した。
21日は兵庫県福崎町で最高気温が35・0度を記録し、今年初の猛暑日に。ほかに豊岡市と淡路市が34・9度、神戸市は33・6度など、18地点で30度以上の真夏日となった。(小林良多、前川茂之)