兵庫県内で昨年、特殊詐欺の被害に遭った人の78%が「何も対策をしていなかった」ことが、兵庫県警のアンケートで分かった。同じく78%が「詐欺が多発していることは知っていた」と答えており、危機意識向上の必要性が如実に表れた形だ。
調査は昨年の特殊詐欺の被害者523人を対象に、県警生活安全企画課が実施。83%が「油断していた」「何も考えていなかった」とした。80%は「詐欺を疑わなかった」という。
犯人にキャッシュカードを手渡した被害者292人は全員が「犯人からの連絡手段が固定電話」だった。
被害者全体でみて大半が詐欺対策に有効な留守番機能が付いた電話を持っていたが、機能を常に使っているのはわずか32%。同課は「留守番電話に設定し、必要に応じて折り返すようにして」とする。
電子マネーを使った特殊詐欺については、84%が知らなかった。「ネットのアダルトサイト視聴料が未納」などと携帯電話にメールを送りつけ、記載された番号に電話をかけさせて、コンビニでプリペイドカードを購入するよう求め、個別番号を聞き出す。その番号を使い、カード内のお金を詐取する手口だ。
同課は「かける前にネットで不審な電話番号かどうか、調べてほしい」としている。(堀内達成)