兵庫県内最大の湿原として知られる宝塚市北部の丸山湿原群で、シラサギが舞う姿に似たサギソウの花が見頃を迎えている。今年は開花数が多く、優雅な姿を間近に観察できる。
ラン科の多年草で15~40センチの茎に約3センチの花をつける。兵庫県版レッドデータブックでは絶滅の危険が増大している種のBランクに指定。観賞用に採取され、数を減らしている。
草刈りや樹木伐採で湿原を守る「丸山湿原群保全の会」は、16日に開花数調査を実施。域内5つの湿原中最大の第1湿原だけで944株を確認した。過去5年間では最多となった。
開花時期は9月初めまで。丸山湿原群は県の天然記念物に指定されており動植物の採取は禁止。湿原内は立ち入り禁止だが木道や視点場から近くで見れる。今住悦昌同会代表(59)は「サギソウは丸山湿原のスター。ぜひ自然の奥深さを知ってほしい」と話していた。(三津山朋彦)