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コロナ「校内感染が不安」 県内254人登校できず

2020/08/20 05:00

 兵庫県内の公立小中学校が新型コロナウイルスによる休校を経て6月1日に再開してから夏休みに入るまでに、感染不安を理由に登校できない児童生徒が全41市町中23市町に少なくとも254人いたことが、神戸新聞社の取材で分かった。出欠の判断は市町によって対応が分かれている。多くの市町で学校が始まったが、今後も感染拡大の可能性があり、専門家は「学習面に差が出ないよう、支援策を整えるべき」と指摘する。

 県内の公立学校は3月初旬から春休みを挟んで約3カ月にわたって休校し、6月に再開。7月下旬以降、夏休みに入り、8月の盆明けから下旬にかけて順次、授業を再開する。

 神戸新聞は7月下旬、夏休みまでの状況について、登校できない児童生徒の有無や人数を県内全41市町の教育委員会に聞いた。

 登校できない児童生徒が「いる」とした23市町は、神戸、西宮、伊丹市など感染者が多い地域から、感染者がいないか少ない但馬、西播、淡路まで幅広く、大半が学校再開から間もない6月上旬が多かった。

 7月に入ってからも学校に行けない子がいる自治体もあった。理由は「不安」のほか、「持病のある高齢者と同居している」「自分や家族に基礎疾患がある」というケースもあった。

 尼崎、宝塚、淡路市は「いる」と答えたが、「数字が独り歩きする」「該当者の特定につながる」などの理由で人数を公表しなかった。

 出欠の扱いは市町によって異なる。神戸、尼崎、西宮、芦屋市などは欠席とみなさない出席停止とし、明石市は、感染すると重症化しやすい基礎疾患があるため登校できない場合を除いて欠席扱い。三田、加東市は6月15日以降、伊丹市は7月以降に登校できないケースは欠席としている。

 登校できない児童生徒への対応に工夫した市町もあった。丹波市は、感染不安を抱える児童生徒向けにインターネットのウェブ会議システム「Zoom」を使い、自宅で授業を受けられるよう配慮。豊岡市は、感染不安のある児童生徒に放課後補習の機会を設けた。(井上 駿、太中麻美、斉藤絵美)

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■支援態勢整備を/冨永良喜・兵庫県立大大学院教授(臨床心理士)の話

 コロナ不安による不登校はあって当然。感染しても安心できる医療体制が整っていれば『学校に行っても大丈夫』と言えるが、そうでなければ無理強いはしない方がいい。オンライン授業や、スクールカウンセラーによるウェブ上での面談など、学校に行かなくてもサポートできる仕組みを早急に整備すべきだ。

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