かつて勤めた会社から支払われた出張費を賃金と認めずに、雇用保険法に基づく求職者給付の基本手当を算定した処分は違法として、姫路市の男性(51)が国に処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、神戸地裁は1日、男性側の訴えを認め、処分を取り消した。
判決によると男性は、運送会社の兵庫支店(たつの市)で大型トラック乗務員として勤務し、2018年に退職。男性は16年5~11月、会社から出張費計約41万円を受けたが、姫路公共職業安定所は「実費の弁償」と判断し、給付額の算定とする賃金とは認めずに支給する処分をした。
泉薫裁判長は、総走行距離に比例して支給額が増えている点や、車中泊の場合でも手当が支給される点から、不便や不利益が生じる業務への対価と認定。賃金とみなさずに給付額を算定したのは違法とした。