兵庫県朝来市和田山町竹田の国史跡、竹田城跡が本格的な雲海シーズンに入った。2日早朝も、頂上に城跡がある古城山(標高約350メートル)のふもとを円山川の朝霧が覆い、城跡からの眺めはまるで真っ白な大海原。多くの人が登城し、秋の風物詩となった景色を楽しんだ。
雲海は前日昼と当日朝の気温差が10度以上で湿度が高く、風が穏やか-などの条件がそろうと発生する。朝来市観光交流課によると、昨年までの3年間の平均で9月は14・7日、10月は17・3日、11月は17日、発生が確認されたという。
2日も分厚い雲海が現れ、山の稜線から差し込む朝日が石垣を赤く照らした。姫路市から訪れた会社員男性(24)は「写真で見る一部分だけとは違い、城跡が包まれている風景は爽快」と流れる雲海に見入っていた。
竹田城跡は新型コロナウイルス感染拡大を受けて4月10日~5月28日は閉山したが、開山後は徐々に登城者数が増加。9月下旬の4連休には7843人(台風が接近した前年同期は1948人)が訪れた。
11月末までは午前4時~午後5時に登城できる。観覧料500円(中学生以下は無料)。(竜門和諒)