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アルコールの代わりに酢を使った色とりどりのカクテル=神戸市中央区下山手通8(撮影・中西幸大)
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アルコールの代わりに酢を使った色とりどりのカクテル=神戸市中央区下山手通8(撮影・中西幸大)
森崎さんらが手掛けた色とりどりのノンアルコールカクテル。左端が「SOSO」、右端が「ベリーディライト」=神戸市中央区下山手通5(撮影・中西幸大)
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森崎さんらが手掛けた色とりどりのノンアルコールカクテル。左端が「SOSO」、右端が「ベリーディライト」=神戸市中央区下山手通5(撮影・中西幸大)

 京阪神の45軒のバーや飲食店がこの秋、ノンアルコールカクテルを売り出している。健康志向で飲酒を控える人が増え、人気のノンアル飲料。オルタナティブな(代わりの)カクテルは色鮮やかな見た目に加え、酒に劣らないパンチ力がある口当たり。その正体は-。(中村有沙)

 仕掛け人のフードジャーナリスト曽我和弘さん(60)=神戸市灘区=によると、ノンアルカクテルは世界的に流行中。欧米では疑似を意味する「mock」と「cocktail」を組み合わせた造語「モクテル」ができ、専用のバーもある。「『飲みたくても飲めない人』は増えているのに、ノンアル飲料の幅はまだ狭い。関西でブームをつくろう」と呼び掛けた。

 酒の代わりとして楽しむには、ジュースのように甘いだけでは物足りない。英国・ロンドンでは、フルーツビネガーをベースにしたノンアル飲料「シュラブ」が人気という。

 そこで、着目したのが国産の「酢」。メーカーのミツカン(愛知県半田市)が協力し、神戸市中央区の「Bar SAVOY hommage(バー・サヴォイ・オマージュ)」のオーナー森崎和哉さん(43)や大阪の料理家の辻ヒロミさん、大阪樟蔭女子大生らがレシピ作りに挑戦。21品を生み出した。

 森崎さんが考案したのは6品。サングリアをイメージした「ベリーディライト」は、ブルーベリー黒酢とレモンティーを合わせる。和の雰囲気を持たせた「SOSO(楚々)」は、リンゴ酢とみょうがを使う。いずれも店で出し、価格は1000~1300円。

 「お酢をカクテルのベースに使うのは初めて。果汁と混ざり合って引き締まった味わいになっている」と森崎さん。「酒を飲めなくてもおしゃれなバーで雰囲気を楽しみたい人もいる。新型コロナウイルスで営業は厳しいが、足を運んでもらうきっかけにしたい」と期待を込める。

 11月末まで、45店が21品から気に入ったものを出し、メニューに加える。参加店舗などの情報はキャンペーンサイトhttps://c‐so.net/mizkan/room/vinegar01/

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■「身体ぽかぽか 酔い心地あり」酒好きな記者も飲んでみました

 酒好きな記者にとって、これまでノンアル飲料は遠い存在。「本当に代わりとなるのか」と疑いながらも取材で一通り試してみた。

 フルーツ味の食酢飲料と緑茶、ソーダを1対2対2の割合で混ぜた「シャイニーフレグランス」。ごくりと一口。想像していた甘さは全くない。ほのかに残る酢のつんっとした味わいが刺激となり、飲みやすい。一緒に出された柿の葉すしとの相性も抜群だ。気づけば、あっという間に飲み干していた。

 ほかの種類も飲んでいくと、身体がぽかぽかしてきた。酢酸成分の効果という。雰囲気のあるバーで飲むことを想像すると、酔い心地も楽しめそうだ。

 酢はヘルシーなイメージで、飲んだ後の罪悪感がないところもうれしいポイント。「ノンアルだけでは物足りない」という人は、チェイサーとして注文するのも良いかも。リフレッシュして、もう一杯…あれ?

 

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