第28回関西囲碁将棋記者クラブ賞の表彰式がこのほど大阪・関西将棋会館であり、囲碁の村川大介九段=兵庫県西宮市、将棋の豊島将之二冠(竜王・叡王)=同県尼崎市=と、特別賞の仲邑菫(なかむらすみれ)初段に表彰状が贈られた。(溝田幸弘)
同賞は記者クラブに加盟する新聞・テレビ19社が、囲碁は2019年、将棋は19年度の成績に基づいて選出。例年春ごろに表彰式を開くが、今年は新型コロナウイルスの影響で延期されていた。
村川九段は第57期十段戦5番勝負で井山裕太十段(当時)を破り、自身2期目の七大タイトルを獲得した。初の受賞に「井山さんがいるので、この賞は自分には無縁と思っていた」と相好を崩した。今年6月に芝野虎丸名人に十段を奪取されるなど「今年はあまり成績が良くないが、今月から世界戦の農心杯が始まるので頑張りたい」と抱負を述べた。
豊島二冠は19年、第77期名人戦7番勝負と第32期竜王戦7番勝負を制して史上4人目の竜王・名人に。「自分にとっても特別な1年だった」と19年度を振り返った。本年度前半は名人を失うなど苦戦したものの「叡王を獲得して少しずつ調子が上がってきた」と手応えを語り、羽生善治九段の挑戦を受ける第33期竜王戦7番勝負(9日開幕)に意欲を示した。
仲邑初段は昨年4月、史上最年少の10歳0カ月でデビュー。今年3月までの1年間で22勝(15敗)と、同期13人中トップの勝ち数を記録し、ワイドショーにも取り上げられるなど囲碁界の注目度アップに寄与した。「うれしいです」と受賞を喜び、プロ1年目について「まあまあの成績」とつぶやいた。副賞には希望していた携帯音楽プレーヤーを贈られ、好きな歌手について「コブクロ」と明かした。