7日は二十四節気の一つで冬の始まりとされる「立冬」。日増しに冷え込む中、日本酒「来楽」で知られる兵庫県明石市魚住町西岡の茨木酒造では、蔵人らが新酒の仕込みに精を出している。
酒造りは、発酵などの工程に気温の低い時季が適しているとされる。茨木酒造では例年通り10月下旬に仕込みを始め、来年3月末まで造る。
午前8時すぎ、「甑」と呼ばれる釜で米が蒸し上がると、蔵の中に湯気が立ちこめた。その米を蔵人たちが布の上に広げて冷まし、こうじをつくる部屋や、酵母を育てる「酒母」づくりのタンクに振り分けた。
12月初めごろに最初の酒をしぼるという。杜氏の茨木幹人さん(40)は「和やかな時間を楽しめるよう、いいお酒を届けたい」と意気込む。
今年は新型コロナウイルスの影響で4月の売り上げが半減するなどし、在庫を多く抱えた。来年からは需要を見ながら酒造りができるよう、期間を9~6月に広げるつもりだ。(吉田敦史)