社会福祉法人「六甲鶴寿園」の元理事で、10月まで特別養護老人ホーム「きしろ荘」の施設長だった男性(50)は、新施設開設に伴い神戸市に提出した人員配置の書類について「理事長の指示による虚偽文書」とし、理事長の主張に真っ向から反論している。
元理事は、5月にオープンした特別養護老人ホーム「陽だまりの家きしろ」の開所準備中に責任者を務めた。指定・許可を神戸市に申請した際、実際は同施設で働かない職員らの名前などを人員配置表に書いて提出したという。「理事長が特定の職員の名前を次々と出し、『(書類に)入れてくれていいよ』と言った。明確な指示があった」と話す。
また「きしろ荘」では、入所者の介護サービスを決めるケアプランが昨年から作成されていなかったことが発覚している。元理事によると、今年分のケアプランは5月ごろになって、法人内の他施設の職員がさかのぼって全て作成したという。元理事は「さかのぼって作成したことを報告したし、話し合いの場に理事長もいたが止めなかった」と話し、理事長も承認済みだったことを強調した。(上杉順子)