• 印刷
兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5
拡大
兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県は、虐待を受けるなどした子どもを一時的に預かる「一時保護所」の新施設を整備する方針を固めた。県は一時保護所を児童相談所(児相)である「中央こども家庭センター」(明石市)に集約しているが、虐待相談の急増で施設は“パンク状態”。多くの子どもが委託先で過ごしており、児相の処遇決定が滞るなどの弊害が出ている。

 一時保護所は、親からの虐待や非行行為があった子どもらが、家庭を離れて過ごす。同センター以外では、神戸、明石両市が運営する児相にある。

 一時保護所の利用数は2019年度、409人で10年前の438人からほぼ横ばい。一方、同センターの一時保護所を利用できず、乳児院や児童養護施設などの委託先に入ったのは1358人で、10年前(229人)の6倍近くに増えた。

 子どもを「家庭に戻す」といった児相の決定は、一時保護所が判断材料を提供。委託先の利用増は決定の先送りにつながるため、子どもの心身への負担が増す。但馬など遠方の児相からの入所は、児相職員の移動などの負担も大きい。

 さらに、兵庫県が管轄する一時保護所の定員は18歳未満の人口1万人当たりで全国ワースト2(18年4月時点)となっており、外部から改善を求める指摘もある。

 県はこれらの状況を受け、個室化などを含めた一時保護所の在り方を根本から議論し、新施設の整備に踏み切ることにした。具体的な場所や開設までのスケジュールは「早急に検討する」(担当者)としている。(藤井伸哉)

 

天気(9月10日)

  • 32℃
  • 27℃
  • 50%

  • 31℃
  • 24℃
  • 60%

  • 35℃
  • 28℃
  • 50%

  • 35℃
  • 26℃
  • 50%

お知らせ