三宮再整備の一環で、JR西日本が建て替え計画を進める三ノ宮駅ビルの建設用地について、JR西や神戸市などが、一部を期間限定のイベント会場として活用する方針を固めた。新型コロナウイルスの影響で新ビル計画に遅れが生じ、都心の一等地がさら地のままという不測の事態を受けた対応。計画の進展が見込まれる来年9月下旬までを予定する。(石沢菜々子、三島大一郎)
三ノ宮駅ビルはホテルや商業施設の入る複合ビルに建て替え、2023年度以降に開業する計画だった。新型コロナの鉄道事業への影響が大きかったことから、長谷川一明社長が10月末、新ビルの計画内容を見直す方針を示した。
本年度に予定されていた都市計画決定も、21年度にずれ込む見通し。一方、旧ビルの解体工事はおおむね完了し、現在、ほぼさら地の状態となっている。
イベント会場は、旧ビルの跡地約2千平方メートルのうち東側の約550平方メートルを使用し、ステージなどを設ける。イベントは、まちづくりを担う一般社団法人が主催。19日から週末に音楽ステージや飲食の屋台をはじめとする市民参加型の企画を計画しており、来年1月から本格運用する。
三宮再整備では、神戸市が駅前の車道を歩行者中心の空間にする「三宮クロススクエア」を計画。JR西の新ビルとも隣接するため、今回のイベント活用は、屋外空間を活用した駅前のにぎわいづくりの実証実験も兼ね、再整備の機運を高める。
JR西は「駅前の大切な空間。感染防止策に取り組みながらにぎわいづくりを目指したい」としている。