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7年ぶりの共演に注目が集まるのん(中央)と橋本愛(右)、大九明子監督=東京都港区、六本木スタジオ(撮影・永見将人)
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7年ぶりの共演に注目が集まるのん(中央)と橋本愛(右)、大九明子監督=東京都港区、六本木スタジオ(撮影・永見将人)
「私をくいとめて」の一場面((C)2020「私をくいとめて」製作委員会)
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「私をくいとめて」の一場面((C)2020「私をくいとめて」製作委員会)

 1人でいる事に慣れすぎて、脳内に相談役Aが誕生した31歳。映画「私をくいとめて」で兵庫県神河町出身の女優のんが、時にやさぐれ、時に激しく感情を爆発させる「おひとりさま」を熱演する。

 芥川賞作家、綿矢りさの同名小説を実写化。主人公のみつ子は恋愛から遠ざかり、Aとおしゃべりしながら1人の時間を充実させる毎日。そんな緩い日常に現れた年下営業マンの多田くん(林遣都)に恋をするが、なかなか関係を進められず、不器用にもだえる姿を描く。

 脳内の自分と会話し続けるという役柄に、のんは「Aという存在は新鮮。でもAはみつ子だから正しい事ばかりじゃないところがリアルで面白そうだと思った」と話す。実年齢の27歳より上を演じるに当たり、大九明子監督から30歳前後にどんな心境だったかを聞き込み、アラサー女性の焦りや悩み、一方で気楽な1人を満喫する姿を繊細に表現した。

 結婚してイタリアで暮らすみつ子の親友、皐月を演じるのは橋本愛。2013年のNHK連続テレビ小説以来、7年ぶりの共演が実現した。撮影日は互いに緊張し、最初は目も合わせられなかった。しかし、のんに本読みをお願いしたのがきっかけで、「軽く読み合わせただけなのにすぐに空白の時間が埋まった」と橋本。2人の掛け合いにも注目だ。

 物語の終盤、みつ子は行き詰まって感情を爆発させる。のんは「挑戦だった。エキセントリックなシーンではなく、見ている人の気持ちをつかめる演技にならなきゃと勇気がいった」と熱っぽく語る。

 大九監督は「みつ子と皐月は(それぞれ)恋愛と結婚を選んだが、必ずしもそれが答えじゃない」と作品に世の女性たちへのエールを込める。のんは「みつ子的な部分を持った人は世の中にたくさんいる。みつ子が代わりに爆発させてくれるので見ただけで解消される作品」とアピールした。(今福寛子)

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 18日からシネ・リーブル神戸などで公開。

 

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