来年夏に予定される兵庫県知事選で、自民党県議団は25日、同県の金沢和夫副知事(64)に立候補を要請した。5期目の井戸敏三知事(75)が来年7月末の任期満了での退任を表明し、金沢氏は立候補に意欲を示しているとされるが、この日の要請には「会派の総意であり、大変重たいものと受け止めている」と述べるにとどめた。
県議会最大会派の自民は、井戸氏が県議会本会議で退任の意向を表明した11日のうちに会合を開き、金沢氏に立候補を求める方針を決めていた。
この日は同県議団の幹事長らが金沢氏と面会。要請書で「長きにわたり知事・県政を支えてきた」と評価し、「兵庫県が築いてきた県政の基調を承継し、新しい発想による変革に挑んでもらいたい」と求めた。
面会後、取材に応じた金沢氏は「新型コロナの感染状況が緊迫している。年末年始は対応に全力を挙げたい」と話す一方、「要請についてもしっかりと考えたい」とした。
金沢氏は旧自治省(現総務省)官僚時代の1998年から4年間、兵庫県に出向。2010年に副知事に就き、3期目の現在は県の新型コロナ対策本部の事務総長を務めている。
県知事選を巡っては、日本維新の会のほか、共産党県委員会などでつくる政治団体が独自候補の擁立を検討するなどの動きがある。(紺野大樹)