密集を避ける新型コロナウイルス対策で、初詣や初売りといった新春の風景が今年は様変わりした。兵庫県内の神社や寺でも参拝客が大きく減少。多くの百貨店や商業施設は2日から初売りを始めたが、福袋の店頭販売を取りやめるなどしたため、開店前に見られた客の「長蛇の列」が姿を消した。
大丸神戸店(神戸市中央区)やJR姫路駅前のピオレ姫路(姫路市)は福袋を店頭に置かず、オンラインや店での予約制に切り替えた。大丸神戸店では同日午前7時半から、客が間隔を空けて列をつくったが、入店待ちの人数は例年の約5千人に対して30分の1程度の約150人だった。
3番乗りだった神戸市須磨区の会社員女性(25)は「初めて並んだが、列が長くなくてよかった。新しいアウター(上着)を手に入れて、新しいことに挑戦する年にしたい」と話した。
福袋を用意した神戸阪急(神戸市中央区)や山陽百貨店(姫路市)でも混雑が緩和。神戸阪急の入店待ちは昨年の約4千人を下回る約1500人にとどまった。
一方、生田神社(神戸市中央区)では、初詣の人たちがマスクを着けて距離を取って、おみくじや御朱印を手に入れていた。同神社によると、昨年は元日の1日だけで約52万人が訪れたが、今年の元日は約5分の1に当たる約10万人だった。(竹本拓也、坂井萌香)
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