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新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種を円滑に進めるため実施した集団接種の初訓練=27日午後、川崎市立看護短大の体育館
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新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種を円滑に進めるため実施した集団接種の初訓練=27日午後、川崎市立看護短大の体育館

 新型コロナウイルスのワクチン接種のスケジュールが徐々に見えてきた。医療従事者に続き、早ければ4月から65歳以上の高齢者の接種が始まる予定で、兵庫県内の自治体では専門の部署やチームが相次ぎ発足。会場選びなど準備が進むが、医師や看護師の人員確保が最大の課題となる。コロナ治療で人手が足りない上、ワクチン供給の量や時期が不透明で、「いつ何人必要なのか」が定まらないためだ。自治体からは「国の想定通りにできるのか」と困惑の声が漏れる。(前川茂之)

 政府が想定するワクチン接種の順番は、(1)一部の医療従事者(2)全国の医療従事者(3)65歳以上の高齢者(4)基礎疾患のある人ら(5)その他の一般の人。医療従事者は都道府県が実施し、それ以外は各市町が主体となる。

 政府は時期は示していないが、一般の人の接種を早く始めたい考え。その前段階となる65歳以上については「4月1日以降」とし、約3カ月で完了させる方針を打ち出している。接種は1人計2回。該当する高齢者が約43万人いる神戸市なら、1週間で約9万回の接種を行う計算になる。

 同市は接種場所として医療機関のほか、公共施設や大型ショッピングセンターなどの活用を想定する。「(近く承認が見込まれる)米ファイザー製ワクチンは保存期限が限られる」と市ワクチン接種対策室の担当者。「小さな会場を増やせば、(ワクチンの)ロスが増える」とし、市内9区に最低でも各1カ所、集団接種会場を設ける方針だ。たつの市も市内5カ所での集団接種を予定し、既に5月ごろまで公共施設を押さえたという。

 一方、姫路市は「普段からなじみのある医師に診てもらうのが一番安心。密になれば感染リスクも増える」として集団接種は極力避ける方向で検討を進める。

 ただ、神戸市の担当者は「会場の確保は正直、どうとでもなる。医療従事者の確保状況次第で、会場の数や規模、スケジュールも変わってくる」と話し、実際にワクチンを打つ医師や看護師の人員確保に頭を悩ませる。県ワクチン対策課の担当者も「医療現場にはコロナ治療を継続しながら、接種もお願いする。難しい依頼ということは百も承知している」とし、頭を下げながら各病院を回る。

 これに対し、医療従事者との調整を担う県医師会の足立光平副会長は「ワクチンがどれほど来るかによって態勢も変わる。従事者の確保以前に、まずはそこを詰める必要があるのでは」と指摘。国はワクチン配布の明確な時期や供給量を示しておらず、県内のある自治体の担当者は「分からないことだらけで、国が描く通りには到底進みそうにない」と頭を抱える。

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