今春から使用済みペットボトル全量をペットボトルとして再生する事業を始める兵庫県東播地域の加古川、高砂市、稲美、播磨町と飲料大手のサントリー食品インターナショナル(東京)は3日、事業の連携協定を結んだ。各市町が家庭から回収後、同社指定業者が全量を引き取って加工する。「ボトルto(トゥー)ボトル リサイクル」と呼ばれる事業で、同社は今後、全国に広げたい考え。
ペットボトルはリサイクルしやすいが、現状は約8割が食品トレーや繊維の材料などになっている。官民が広域で連携し、ペットボトルへの全量再生に取り組むのは東播地域が全国初という。理論上は新たに石油などの化石資源をほとんど使わなくて済み、環境負荷の低減が期待される。
再加工されたペットボトルは、高砂市内の同社関連工場で製造される商品に使われる。製造量全体に対して東播2市2町からの回収分は一部だが、同市役所での協定締結後、同社の中村卓常務執行役員は会見で「資源を循環させる取り組み。この地でなければできない事業ではない」と他地域での展開にも意欲を示した。
同市の都倉達殊市長は「リサイクルの地産地消。市民に情報発信し、理解を深めてもらいながら事業を進めていく」とし、加古川市の岡田康裕市長も「環境問題は国際的な課題。新しい取り組みにチャレンジできることはうれしい。成功事例にしたい」と話した。(若林幹夫)











