テレワークで広報業務に携わる神戸市の「副業人材」に採用された民間企業の社員らと同市の担当者が、オンラインの発表会を行った。新型コロナウイルス禍でテレワークと副業が広がりつつある中、双方が副業人材を活用することのメリットや業務の成果を報告し合った。(西井由比子)
市は昨秋、副業として市ホームページ(HP)の点検▽SNS(会員制交流サイト)の記事制作▽PR動画企画-などの業務を委託する約40人を募集。30倍を超える1278人の応募があった。
採用したのは、編集プロダクション勤務(東京都、30代)▽テレビ制作会社勤務(同、20代)▽グラフィックデザイナー(鳥取県、40代)-ら35人。応募者の55%が首都圏など兵庫県外在住者で、応募理由は「学生時代に住んでいた神戸の役に立ちたい」「毎年旅行する大好きな街」など神戸への愛着が目立ったという。
採用された大手IT企業ヤフー編集本部の男性は「40代に入り、自分の市場価値を考えるようになった。副業という選択肢が増え、当社も柔軟な働き方ができる環境が整ってきていて、今回の副業募集がチャンスだと思った」と応募のきっかけを説明。
その上で「今まで特殊な仕事をやってきて外部で通用するか疑問だったが、アウトプットしてフィードバックをもらえて、自信につながった。外部で仕事をしてみることで本業の質も高められる」と話した。
格安航空ジェットスターグループの女性は「副業に生かせるような引き出しを増やすため、本業を通じて入ってくる情報に敏感になった。本業には肩書があるが、副業は私自身の勝負。自分の価値をブラッシュアップする意識が生まれた。さらに時間管理がうまくなり、仕事の効率が上がった」と副業による相乗効果を報告した。
市側は「コロナ禍で新たな働き方が進む中、バズる(SNS上で話題になる)と思った」「多くの自治体から副業人材の募集について問い合わせがある」-などとし、業務について「オンラインのやりとりで問題なく進んでいる。HPのレイアウトや広報手段などで既に成果が出てきている」と話した。











