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震災前は線路があった長いトンネル。津波で被災後、今はバスが走る=宮城県南三陸町
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震災前は線路があった長いトンネル。津波で被災後、今はバスが走る=宮城県南三陸町

 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町。津波で580人以上が犠牲となり、住宅の約62%が全半壊した。沿岸を南北に貫くJR気仙沼線も被災し、鉄路があった場所の一部を今はバスが走る。線路跡を専用道にしたバス高速輸送システム(BRT)だ。

 気仙沼線の被災区間は震災前から乗客数が減少傾向で、JR東日本は早期復旧を断念してBRTを導入。鉄橋やトンネルなどは被災前の姿を残している。

 間もなく10年を迎える被災地を取材した帰路、BRTに乗った。やがてバスは、出口が見えないほど長いトンネルに入っていった。

 「『十年一昔』と言うけれど、生きている限り、区切りなんかつけられるわけない」。震災で長男を失った同町の漁師の男性(68)が絞り出すように語った言葉が、トンネルにこだました気がした。(斎藤雅志)

 

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