兵庫県知事選(7月1日告示、同18日投開票)を巡り、県議会最大会派・自民党所属の議員十数人が、会派として立候補を要請した金沢和夫副知事(64)への支援方針を撤回するよう、会派執行部に申し入れたことが19日、関係者への取材で分かった。金沢氏の支援を決めた経緯などへの反発とみられる。申し入れた議員らは別の候補者擁立を検討しているとされ、保守分裂の可能性も浮上している。(紺野大樹)
複数の関係者によると、ベテラン議員ら十数人が同日、同会派の藤本百男幹事長に連名の文書で申し入れた。金沢氏支援の決定を撤回し、次期知事選で支援する候補者の再検討を求めたという。
知事選を巡っては、5期目の井戸敏三知事(75)が昨年12月、任期満了となる今年7月末での退任を表明。自民会派は井戸氏の表明を受けて急きょ、多数決で金沢氏に立候補要請する方針を決めた。一部議員は県政の刷新などを訴え、金沢氏の支援に反対したが、議論は打ち切られたという。
決定を受けて自民会派は昨年末、井戸県政の継承を求め、金沢氏に立候補を要請。金沢氏も立候補の意向を固め、開会中の県議会定例会最終日の24日にも表明するとみられる。
撤回を申し入れた議員らは、要望が受け入れられない場合、会派を脱会し、新たな会派を結成する見通し。関係者によると、知事選には神戸市出身で出向中の若手総務官僚の擁立を検討しているという。
県議会(定数86)の多数派で、知事与党の中心を担う自民には現在44人が所属するが、脱会する議員が相次げば過半数割れとなり、今後の県政運営にも影響するとみられる。
一方、過去の井戸氏の選挙は、自民と同じ知事与党で、立憲民主党の議員らが所属する会派「ひょうご県民連合」と「公明党・県民会議」も支えてきた。自民内部の亀裂は、2会派の知事選への対応にも影響する可能性がある。