第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で最高賞に次ぐ審査員大賞(銀熊賞)を受けた「偶然と想像」の浜口竜介監督(42)が21日、受賞後初めて神戸を訪れ、喜びを語った。かつて神戸を舞台に撮影し「そのときの経験が監督として精神的な基盤になっている」と、神戸への感謝を述べた。
神戸市中央区のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)のトークイベントに参加するため来神。イベントに先立ち、神戸市から芸術文化特別賞も受けた。
浜口監督は2013年から約3年間、神戸に滞在し、映画「ハッピーアワー」を制作。「まだ作品としてどうなるか分からない『種』を、神戸の街、市民が協力して育ててくれた」と振り返った。神戸の魅力は「海があり、山があり、その間に街がある。暮らしている人は気付いていないかもしれないが、どこを撮っても絵になる、映画的な街」。「ハッピーアワー」が国際的にも評価を受けたことから、その後の映画づくりでも「神戸での経験を起点に、あれよりもっと面白くするにはどうすればいいかと考える。初心を見つめられる場所」と話した。
大学院時代の恩師で、映画「スパイの妻」を共同脚本した黒沢清監督(神戸市出身)からは「この場で言うのが恥ずかしいくらいほめていただいた」と笑顔を見せた。(片岡達美)









