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休校式で集落に伝わる祭り太鼓の演奏を披露した松上華渚さん=香美町香住区余部
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休校式で集落に伝わる祭り太鼓の演奏を披露した松上華渚さん=香美町香住区余部

 兵庫県内で唯一のへき地分校、香美町立余部小学校御崎(みさき)分校(同町香住区余部)が31日で休校となる。ただ1人の児童松上華渚(はな)さん(9)が、2021年度から4年生となり、日本海を望む山中の分校から4キロ離れた麓の本校に通うようになるため。地元の小さな集落に新たな就学児はおらず、再開の見通しは立たない。(金海隆至)

 同分校は、本校への通学が難しい同集落の子どものため、1915(大正4)年に設置された。児童は3年生まで学んだ後、4年生からは本校までバスで通う。一世紀を超える伝統があるが、児童の不在で92~93年度と2010年度にも休校している。

 このほど式典が開かれ、松上さんが出席。入学時に上級生が温かく迎えてくれたこと、授業や校庭で野菜の栽培に励んだ思い出などを振り返り、「本校でも勉強を頑張り、友達に優しくできる4年生になりたい」と抱負を語った。

 文部科学省によると、全国にある小学校の分校は、1952年度の4849校をピークに、少子化などで2020年度には148校まで減るという。

 同町教育委員会は、分校の再開や本校との統合を、保護者や住民の意見を尊重しながら検討したいという。余部小の岡本哲郎校長(59)は「伝統行事や豊かな自然など、地域の教材を生かした教育には先人の足跡が刻まれている。次代の子どもにも伝えられたら」と話した。

 

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