神戸市の桜(ソメイヨシノ)が24日に開花し、花見シーズンが本格化する中、兵庫県内の花見スポットでは飲酒や宴会を禁止する動きが目立つ。新型コロナウイルス感染再拡大の兆しもあり、関連行事も昨年と同様に相次いで中止。桜の名所を管理する自治体などは「大声で騒がず少人数で楽しんで」と呼び掛ける。
約1600本からなる桜並木として「日本さくら名所100選」に名を連ねる西宮市の夙川河川敷緑地。飲酒・宴会の禁止を伝える看板が「お花見をされる方は『散策』のみでお願いします」と呼び掛ける。
遊歩道の端は例年、花見客がレジャーシートを敷く場所だったが、ロープの柵を設けて立ち入りを制限した。管理する同市公園緑地課は「河川敷は幅が狭く、密になりやすいので散策のみに限った」とする。
県は3月上旬、県立都市公園15カ所での花見について、飲酒や宴会の自粛を求める対処方針を公表。担当者は「多人数で酒を飲むと大声になりがちで感染リスクが高まる。花見を禁止しているわけではない」と説明している。
県立明石公園(明石市)では、県園芸・公園協会職員らが24日、「花見席」の張り紙約460枚を5~7メートル間隔で地面に打ち付けた。園内での飲酒を禁止し、職員が見回りを行っている。神戸市では、生田川公園(同市中央区)や須磨浦公園(同市須磨区)などに例年設置していた仮設トイレやゴミ箱を置かず、長時間の観賞を避けるよう求めている。
約1600本の桜が満開となる世界文化遺産・国宝姫路城(姫路市)では、コロナの影響で昨年閉鎖した三の丸広場を今年は開放するが、飲酒や宴会を禁止。広場にロープで通路を設け、通り抜ける花見客と滞在する人のすみ分けを図る。
一方、姫路市は昨年、花見ができる公園に飲酒自粛を求める看板を設けたが、今年はしないという。担当者は「花見の様子が目に余るようであれば検討するが、自粛ばかりを求めて市民を縛り付けたくない。穏やかに楽しんでもらえたら」と話す。(金 旻革)