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「コロナ禍による自粛期間を経ていかに多くの人に愛されてきたか、思いを新たにした」と話す柚香光=宝塚大劇場
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「コロナ禍による自粛期間を経ていかに多くの人に愛されてきたか、思いを新たにした」と話す柚香光=宝塚大劇場
後輩には「どんな舞台人になりたいか、思い出して。そうすればより個性を生かせる」とメッセージを送る華優希=宝塚大劇場
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後輩には「どんな舞台人になりたいか、思い出して。そうすればより個性を生かせる」とメッセージを送る華優希=宝塚大劇場
「アウグストゥス-尊厳ある者-」でオクタヴィウスを演じるトップ・柚香光(C)宝塚歌劇団
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「アウグストゥス-尊厳ある者-」でオクタヴィウスを演じるトップ・柚香光(C)宝塚歌劇団

 宝塚大劇場(兵庫県宝塚市栄町)で花組公演「アウグストゥス-尊厳ある者-」が4月2日、開幕する。ローマ帝国の初代皇帝になるオクタヴィウスの成長物語をフィクションも織り交ぜて描く。花組トップ2人に当て書きしたオリジナル作品で、トップ就任後、本拠地では2作目の柚香光と、これが退団公演となる娘役トップ華優希が意気込みを語った。

 オクタヴィウスを演じる柚香は「現代の政治システムの原型のようなものを造った人なので、共感するというと恐れ多いが、そんな人でも道を踏み外しかけ、葛藤する。美化された英雄伝ではなく、生身の人間として見せたい」と語る。

 この時代を理解するために塩野七生さんの歴史小説を読んだ。今回の役に自分自身を投影しながら「人生をどう歩んでいくのか学んでいる」という。

 役作りの肝となるのは「憎しみの表現」だと、手の内を明かす。これまでの作品でも怒りや悲しみを表現してきたが、世界史的なスケールの物語の中で「夢が欲望に変わり、それがかなわなかったときに生まれる憎しみ」をどう伝えるか、強いまなざしの見せ方など、試行錯誤を繰り返している。

 オクタヴィウスの大叔父であるカエサルに父ポンペイウスを殺され、オクタヴィウスを敵視するポンペイア役の華。「父の復しゅうを誓うが、それが火種となって感情の炎がどんどん燃え広がる。最終的にオクタヴィウスと心がつながるまで、心の繊細な動きを美しい言葉でつむいでいく」と見どころを語る。

 宝塚の一ファンだった頃からあこがれだった娘役。トップに上り詰めた今、「男役との関係性の中で、多幸感あふれる娘役を見せたい」という。

 後半のレビュー「Cool Beast(クール・ビースト)!!」では柚香が野獣として舞台を駆け巡る。自身を動物にたとえると? 「家では…なまけものかな。それとも丸まってじっとしているフェレット?」とおどける。それでもコロナ禍があり、花組としては約1年半ぶりの本格的なレビューへの意欲は並大抵ではない。「ラテンナンバーを主に、コミカルな要素も幻想的要素も盛り込んだ多彩な構成」

 柚香は「熱気が半端ない。キターッ!って感じ」と喜びを隠せない。長年の夢だったという「はだしで踊ること」が今回実現した。「よろいがはがれ、解き放たれた柚香を見てほしい」とアピールした。

 5月10日まで。東京宝塚劇場では5月28日~7月4日。(片岡達美)

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