新型コロナウイルスの感染拡大に伴う3度目の緊急事態宣言発令を翌日に控えた24日、休業要請の対象となる兵庫県内のレジャー施設や商業施設は「駆け込み」の客で混雑した。だが大型連休に営業できないダメージから、施設側の関係者の表情は一様に暗かった。
JR三ノ宮駅前の商業施設「ミント神戸」(神戸市中央区)では開店前から数十人が列を作った。施設内の映画館も多くの人でにぎわい、関係者は「客足は普段の3倍ほどです」と驚いた様子だった。
神戸どうぶつ王国(同)は23日に、人気の鳥ハシビロコウの新エリアがオープンしたばかり。昨年に続く大型連休中の緊急事態宣言に、佐藤哲也園長は「今年こそと意気込んでいた。コロナの深刻さは分かるので協力するが、元気は出ない」とし「連休中の物販や食品の準備も済んでいた。もう少し早く(緊急事態宣言の)決断があれば」と政府などへの不満を吐露した。
神戸市立博物館(同)も24日から特別展「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」を始めたばかり。学芸員の塚原晃さん(57)は「特別展は2019年のリニューアル後、最大規模で力を入れていた」と残念そうに話した。(吉田敦史、上杉順子、小尾絵生)