2020年の1年間で、兵庫県内で423人が仕事中に新型コロナウイルスに感染し、労働災害が認められたことが、兵庫労働局のまとめで分かった。医師や看護師らは291人、高齢者施設などの職員らは84人で、医療と介護で合わせて全体の9割を占めた。亡くなった人は1人で、サービス業だった。
他にコロナ感染で労災が認められたのは、清掃業=19人▽製造業=7人▽その他=22人-だった。清掃業ではごみ収集の事業所でのクラスター(感染者集団)が発生し、複数が労災認定された。
業務に起因してコロナに感染した場合、事業主が所轄の労働基準監督署に報告することが義務化されている。同労働局によると、報告されて、労災が認められなかったケースは今のところないという。
同労働局の荒木祥一局長は「クラスターが発生した施設には情報を提供し、困っている労働者や事業者に積極的に申請を働きかけたい」とした。
同労働局が公表した20年の労災発生状況によると、死亡した人や、けがなどで4日以上仕事を休んだ人は合わせて5381人で、19年より455人増えた。うち医療従事者は441人で、コロナ感染の影響で前年の3・5倍となった。社会福祉施設でも前年より115人多い585人が認定された。(小谷千穂)