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25人死亡の大規模クラスター「サニーヒル」 入所者家族の声「ただ祈るしか」

2021/05/09 22:03

 入所者や職員計133人が新型コロナウイルスに感染し、入所する25人が死亡する大規模クラスター(感染者集団)の発生が分かった神戸市長田区の介護老人保健施設「サニーヒル」。今も感染の危険と隣り合わせで過ごす入所者の家族が9日、神戸新聞社の取材に応じ、「祈るしかない」ともどかしい胸の内を語った。

 同市垂水区に住む女性(79)の夫は、7年前からサニーヒルに入所。女性はコロナ以前は週に1度訪れていたが、昨年2月以降は会えていない。夫は失語症があり、電話はできない。

 女性によると、今年4月18日、施設から初めての感染者が出たと知らされ、翌19日には夫と同じフロアの入所者も感染したことが伝えられた。その後は連絡がなく、5月7日、報道で25人もの死者が出ていると知った。女性が心配になって施設に連絡すると、夫と同じフロアで入所者の半数が感染していたが、夫は感染していなかったという。

 「施設を出ても面倒はみられず、ただ祈ることしかできない」と女性。「家族に連絡できないほど大変なのだろう」と施設の職員をねぎらう一方、各地の高齢者施設で入所する人が次々と亡くなる現状に「溺れている人が見殺しにされているようだ」と政府に不満を募らせた。(斎藤 誉)

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