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青春時代を満喫した神戸高校=神戸市灘区城の下通1
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青春時代を満喫した神戸高校=神戸市灘区城の下通1
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 作家村上春樹さん(72)のルーツを、作家土居豊さん(54)=大阪府=と探る旅の最後は神戸。村上さんにとって、神戸高校に通い、三宮などで外国文化を吸収した「青春の地」だ。1960年代。港町の開かれた雰囲気は、思春期だった村上さんの心を捉え、作品に色濃く影響した。

 ■ガールフレンド

 阪急六甲駅から路線バスに乗り、西へ。村上さんは、中学時代に引っ越した芦屋市から電車とバスを乗り継いで神戸市灘区の神戸高校に通ったようだ。神戸での初めての学校生活。進学校だったが「勉強に興味が持てなかった」といくつかの出版物で明かしている。

 「春樹さんは、ここで自由な学校生活を謳歌しました」。神戸の街並みを見渡す同校校門前で土居さんが語る。「高校時代には、マージャンなど仲間とつるんで遊んだ話が多いんです」

 彼女もできたようだ。文芸誌「文学界」に掲載された私小説的な短編「ウィズ・ザ・ビートルズ」には、「1965年に起こった最も重要な出来事は(中略)僕に一人のガールフレンドができたこと」とある。村上さんは当時2年生。別の作品では、同市中央区のイタリア料理店「ピノッキオ」に一緒に行ったガールフレンドに触れた。これも同じ女性なのだろう。

 当時はビートルズブーム。ポップスからジャズ、クラシックに至るまで音楽に関する造詣の深さで知られる村上さんは、文芸誌「考える人」などで、かつて三宮にあった「マスダ名曲堂」でクラシックのレコードを買っていたと明かしている。

 ■ペーパーバック

 当時の村上さんは、英文の小説に熱を上げていた。担任を務めた英語教員は、2008年の神戸新聞の取材に対し「appreciate(アプリシエート)という単語の意味を、鑑賞するとか感謝すると覚えてはいけない。『真価を知る』と覚えよと(村上さんらに)教えた」と話した。村上さんはコラムの中でこの授業に触れ「目の前がさあっと開ける思いがした」と振り返っている。翻訳家でもある村上さんの原点かもしれない。

 村上さんは当時、神戸港に寄港した外国船員が置いていったペーパーバックの洋書を、三宮で大量に買って読んでいた。修学旅行にも持って行ったという。

 土居さんは言う。「直接向こうの空気に触れるような体験。当時、国内で身近ではなかった外国人も舶来物も神戸には当たり前だった。それは、世界各国で多くの読者の共感を呼ぶ作品の世界観につながった」

(霍見真一郎、中川恵、金井恒幸)

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