兵庫県丹波篠山市は、地元食材を生かした郷土料理などを集めた冊子「よろしゅう おあがり」2を作成した。市立中央公民館の料理講座10周年を記念し、2017年に刊行したレシピ本の第2弾。スープやアイスクリームなど、洋風・現代風の献立も盛り込んだ。担当者らは「自慢の『丹波篠山ごはん』を次世代に伝えてもらえたら」とアピールしている。(堀井正純)
同館では伝承料理の普及を目的に、料理講座「郷土味学(みがく)講座」を08年から主催。「伝承(基礎・応用)」「創造」の3コースを市民ら延べ千人以上が受講し、旬の食材や特産品を使った料理法を学んできた。
タイトルの「よろしゅうおあがり」は、「ごちそうさま」に対し、作り手が返す地元の言葉。「召し上がれ」ではなく、「よくぞ食べてくださいました」「お粗末さま」というニュアンスという。編集を担当した市職員で栄養士の西牧浩子さんは「相手を気遣う謙虚な言葉」と説明する。
レシピ本第1弾では、「なす飯」「とふめし」「黒大豆の田舎煮」など、57品目を厳選して収録。第2弾でも、「たけのこ寿司(ずし)」「茶佃煮(つくだに)」「山椒クッキー」など、春・夏・秋・冬の季節ごとの献立57品目をフルカラーで掲載し、材料や作り方を説明している。いずれも同講座の「伝承(応用)」コースで作っている料理で、地元の栄養士・田中のぶ子さんらが監修している。
黒枝豆と黒豆の両方を使ったユニークな「黒大豆の親子めし」や「黒大豆きなこの蒸しパン」「ゆずタルト」など、若者や子どもらにも受けそうな献立も豊富で、「これが新しい“郷土料理”になれば」と西牧さん。「移住して来られた人にも、一度家庭で作ってもらえたら。地元の人も、わがまちの豊かな食材を見直してほしい」と話している。
A4判、64ページ。1部1300円。12日から中央・城東公民館や市役所市民課で販売する。中央公民館TEL079・594・1180
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