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メガソーラー、市島に完成 兵庫県内有数規模、丹波地域で最大級 ゴルフ場計画地を活用、会長は亀井静香氏

2021/07/21 05:30

 兵庫県丹波地域で最大級の大規模太陽光発電所(メガソーラー)が、丹波市市島町下竹田に完成した。出力は26メガワットで、県が把握する太陽光発電では県内有数の規模。固定価格買い取り制度(FIT)に基づき、8月から20年間、1キロワット時当たり32円で関西電力に売電する契約を結んでいる。(藤森恵一郎)

 発電所名は「MJSソーラー市島エネルギーファーム」。1990年代にゴルフ場の開発が進められながら頓挫していた土地を、再生可能エネルギー普及を目指すMJSソーラー(東京)が取得、計画した。会長は元衆院議員の亀井静香氏が務めている。

 総事業費は約120億円。敷地面積119ヘクタール(発電設備面積53ヘクタール)に、太陽光パネル11万4320枚を並べた。運営は合同会社メガソーラー市島発電所(東京)が担う。年間の想定発電量は3万9535メガワット時。丹波市内の35%に相当する約8900世帯分をまかなえる。

 県によると、県条例で2017年7月以降、事業区域が5千平方メートル以上の太陽光発電の設置工事は届け出が必要になっており、20年度末までに232件を受理。同ファームはこのうち4番目の出力で、丹波地域では最大だという。

 18年10月に着工し、このほど完了した。7月21日に関係者のみで竣工(しゅんこう)式を行い、8月2日の運転開始を予定する。豪雨時などの排水対策として三つの調整池を設けており、MJSソーラーは「ゴルフ場開発時より約1・5倍の調整容量を確保した」としている。

 亀井氏は東日本大震災を機に「脱原発」を旗印に掲げ、17年の政界引退後は事業家として再生可能エネルギーの普及を目指している。同ファームはその最初の一里塚となる事業で、亀井氏は神戸新聞の取材に「この土地に根差す覚悟で防災に留意した。景観をできるだけ損なわずにエネルギーを生み出す土地として、畑を開墾するような愛着を持って工事の進捗(しんちょく)を見守ってきた」とコメント。「自然環境と共生できる施設としてしっかり管理していくつもり」とした。

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