丹波

仏像なのに…圧倒的アフロ感 なぜ“バクハツヘア”に?

2021/09/11 05:30

 「アフロヘア」といえば、若き日の落語家・笑福亭鶴瓶さんのトレードマークだった。頭髪をパーマで縮らせ、大きくふくらませた髪形で、米国の黒人が自由のシンボルとして始めたとされる。

 そんな「アフロ」そっくりの髪形の石仏と、兵庫県丹波市柏原町柏原の西楽寺で出合った。2014年建立というから、まだ新しい「平成の仏さま」だ。

 「五劫思惟阿弥陀如来(ごこうしゆいあみだにょらい)」と呼ばれる仏像で、金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)(京都市)の江戸中期の石仏や、東大寺(奈良市)にある鎌倉時代の木造仏(国重要文化財)が有名だ。いずれも近年、ユニークな「アフロ仏」としてネットなどで注目されているが、国内での制作例はあまり多くない。

 西楽寺では、境内の永代供養塚の上に鎮座。名称のうち、「劫」とは無限に通じる宇宙的な時間。それが五つ重なるほどの長大な年月、「衆生をいかに救うか」を思索し続けた阿弥陀如来の姿を分かりやすく視覚化しようと、こんな髪の表現となったらしい。仏の頭髪はらせん状の巻き毛ゆえ、髪をそらねば、こんな奇抜な“バクハツヘア”になってしまうというわけだ。

 頭部のアンバランスさゆえ、珍妙・コミカルとも見える像だが、実は極めて「ありがたい仏さま」なのだ。ありがたや、ありがたや。大御所となった鶴瓶さんも、昔のこの豊かな頭髪が懐かしい?(堀井正純)

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