兵庫県丹波市内３高校の生徒有志が、丹波栗のモンブランを同時に食べた人数でギネス世界記録登録を目指すオンラインイベント（１２月１９日開催）の準備を着々と進めている。資金調達、記録達成の参加人数にもめどが立った。成功の鍵は、ビデオ会議アプリ「Ｚｏｏｍ（ズーム）」に大人数が接続できるか否か。生徒らはリハーサルでネット環境などを確認、課題を整理している。（真鍋　愛）

　新型コロナウイルスの影響でイベントが減った地元を盛り上げようと、市内３高校の生徒約３０人が取り組んでいる。コロナ禍でも「３密」を回避できるオンライン形式を採用し、ズームに接続した参加者全員が一斉に頬張って記録達成を狙う。

　素材の丹波栗は、市内の生産者団体が無償提供した。モンブラン製造は、地元の菓子製造業者「やながわ」（丹波市春日町野上野）が協力。ギネス世界記録の申請などにかかる費用約２１５万円は、地元企業などの協賛や街頭募金活動で調達できた。当初は伸び悩んだ参加者も、約３００人（１１月２８日現在）まで集まった。

　残る問題は、参加者全員がモンブランを食べる映像を、ギネス世界記録公式認定員が確認できること。イベント当日は丹波の森公苑（同市柏原町柏原）大ホールで、記録達成最低ラインの１００人以上が一斉に頬張っているかを審査する。

　生徒らは、大ホールからパソコン１１台でズームに接続、１画面に映る最大人数４９人をスクリーンに投影し、録画する計画を立てている。食べる瞬間の映像が乱れるなどのトラブルが起これば、失敗する可能性もある。

　成功の秘訣（ひけつ）は安定したネット環境だ。生徒らはコミュニティーＦＭ局「ＦＭ８０５たんば」に協力を依頼。このほど行われたリハーサルでは、参加者ら約１５０人がズームに接続し、パソコンの性能やネット回線などをチェックした。

　リハーサルの結果、Ｗｉ－Ｆｉ回線の１つが落ちる▽一部のパソコンが、スクリーンに映像を映すプロジェクターに接続できない▽パソコンやズームを使い慣れていない生徒がいる－などの課題が見つかった。リーダーで氷上高３年の酒井歩さん（１８）は「課題を洗い出し、本番は絶対に成功させる。ギネス世界記録達成に向け、最善の方法を考えたい」と意気込んでいる。

　プロジェクトチームは、高性能パソコンを貸し出してくれる協力者を求めている。１２月８日まで。氷上西高校まちづくり部ＴＥＬ０７９５・８７・０１４６

■オンラインイベント１２月１９日開催、８日まで参加者募集

　丹波市内３高校の生徒有志で作るプロジェクトチームは、１２月１９日にオンライン開催する「高校生と一緒に！　集まれスイーツ好き！　世界一のモンブランを食べよう！」の参加者を募っている。

　目標は５３９人。参加者は、イベント前日の１８日、盛り付けるだけのセット（そぼろ状の丹波栗ペースト、泡立て済み生クリーム、スポンジ）を、市内５カ所に開設予定の保管場所に取りに行く必要がある。

　当日は、ビデオ会議アプリ「Ｚｏｏｍ（ズーム）」で参加。ズームの使用が難しい人は、市民プラザ（丹波市氷上町本郷）や芦田集学校（同市青垣町田井縄）で、高校生らがサポートする。

　参加費５００円。１人１台、ズームに接続できるスマートフォンやタブレットなどの端末が必要。端末ごとに、２種類のＱＲコードを読み込んで登録する。１２月８日締め切り。