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鹿加工組合丹波が入る建物=丹波市氷上町谷村
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鹿加工組合丹波が入る建物=丹波市氷上町谷村

 駆除されたシカを処理する「鹿加工組合丹波」(兵庫県丹波市氷上町谷村)が1日付で解散していたことが分かった。同組合は運営体制を巡るトラブルが常態化。丹波市議会が問題視する中、市が解散を提案した。同組合を構成する1団体と2社から「承諾を受けた」などとするが、前組合長で、県猟友会丹波支部の支部長は「承諾していない」などと反発している。

 市などによると、同組合は同支部のほか、鹿肉加工販売業者「丹波姫もみじ」、ドッグフード製造販売業者「EGサイクル」が2013年に設立。市の「シカ有効活用処理施設事業者」に選ばれ、市の補助金2600万円で処理施設を建設、14年から処理を始めた。

 同支部が駆除したシカは、丹波姫もみじが食肉用に、EGサイクルがドッグフードなどに、それぞれ加工し、販売。市は同組合に運営費として年間で上限700万円を補助してきた。

 同組合では、鹿肉の卸値や仕入れ値、運営方針などを巡り、役員間で意見が対立。前組合長が「勝手に職を外された」として、同組合を相手に地位確認訴訟を起こし、神戸地裁柏原支部で係争中という。

 市は同組合に組織改編案を提示したが、合意できなかった。同組合への補助金について市議会から疑問視する声が上がったため、市は今年1月、1団体と2社の役割は維持した上で、事業を丹波姫もみじに継承する案を示したという。

 同組合の解散と事業継承について、1団体と2社は3月1日に「シカ加工処理施設の稼働に関する合意書」に署名、押印。合意書には立会人として林時彦市長も署名し、市長印を押したという。

 22日に開かれた市議会予算決算常任委員会では、質問や意見が相次いだ。畑田弥須裕産業経済部農林担当部長は「市長、副市長、担当課で考えた案。合意にたどり着けたのは市長、副市長のおかげと思っている」と説明。委員の一人は「合意書に判を押している猟友会支部長らは、組合設立時と代わっている。代表権が正式に移行したか確認したか」と質問。市担当者は「『理事会で役員が代わった』と支部員から報告を受けた」などと答えた。支部長交代について、県猟友会は「支部長交代の届けは出ていない」としている。(真鍋 愛)

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