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琉球列島の多様な生物を標本とパネルで紹介する特別展=丹波市立氷上回廊水分れフィールドミュージアム
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琉球列島の多様な生物を標本とパネルで紹介する特別展=丹波市立氷上回廊水分れフィールドミュージアム
琉球列島に分布する昆虫の標本=丹波市立氷上回廊水分れフィールドミュージアム
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琉球列島に分布する昆虫の標本=丹波市立氷上回廊水分れフィールドミュージアム
鹿児島県の奄美大島にしか生息しないアマミミヤマクワガタの標本(中央)=丹波市立氷上回廊水分れフィールドミュージアム
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鹿児島県の奄美大島にしか生息しないアマミミヤマクワガタの標本(中央)=丹波市立氷上回廊水分れフィールドミュージアム

 自由研究が大嫌いだった。「自由に研究って、何をしたらいいんよ」とぼやいたウン十年前の夏。兵庫県丹波市立氷上回廊水分れフィールドミュージアム(同市氷上町石生)の河井周さん(65)に話すと「自由研究向きの特別展がありますよ」。何やら県内には生息していないクワガタやチョウ、日本一大きいガなど、約200点の標本が並んでいるという。(真鍋 愛)

 特別展は「琉球(りゅうきゅう)列島~生物多様性の宝庫~」。展示に協力した伊丹市昆虫館の学芸員、田中良尚さん(45)に解説してもらった。

 注目は、鹿児島県・奄美大島にしかいない「アマミミヤマクワガタ」の標本。DNAは台湾に生息するミヤマクワガタに近く、「水に浮かべても2週間近く生きるので、海流で流れてきた可能性が高い」と、田中さん。同島と徳之島にしか生息していない耳の短い「アマミノクロウサギ」や、飛べない鳥「ヤンバルクイナ」のパネル解説もある。

 最も存在感を放つのは、日本最大のガ「ヨナグニサン」だ。羽を広げると約20センチもあり、大人の手のひらより大きい。柄は、ヘビの横顔のよう。虫が苦手という丹波市教育委員会の職員は「夏の展示にぴったりですね」と苦笑い。乱獲などで生息数が減り、1985年に沖縄県の天然記念物に指定されている。

 「小さいけれど学びがいっぱいの博物館」を目指す同ミュージアム。特別展の展示スペースも広くはない。何も見ずに歩けば1分で回れる。でも、標本をじっくり観察し、生態系を壊す外来生物の対策などを読み進めると、見終わるのに30分以上かかった。これなら、自由研究のヒントも見つかりそうだ。「本土では見ることができない生物ばかり。多様な生き物がいることを知ってほしい」と田中さん。

 20日からは「日本で最も美しいクワガタ」ともいわれる「トカラノコギリクワガタ」の生体展示も始まる。9月25日まで。午前10時~午後5時(最終入館同4時半)、月曜休館(月曜が祝日の場合は火曜休館)。大人210円、小中学生100円。同ミュージアムTEL0795・82・5912

【琉球列島】鹿児島県から沖縄県まで、南西約1200キロにわたる島々の総称。南西諸島とも呼ばれる。生物分布では、種子島と屋久島を含む「北琉球」▽奄美群島と沖縄諸島からなる「中琉球」▽宮古島、石垣島、西表島と与那国島などの「南琉球」-の三つに分かれる。トカラ海峡以北の北琉球は日本本土で見られる生物も多いが、中琉球ではユーラシア大陸にいない固有生物種が、南琉球では台湾やユーラシア大陸との共通種が多く生息する。

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