新型コロナウイルス流行「第7波」で、新規感染者数が最多を更新し続けている兵庫県丹波地域。丹波篠山、丹波両市には連日、陽性者や濃厚接触者から、不安の声や相談が寄せられている。「検査はどこで受けられる?」「家族全員が感染した。食料はどうしたらいい?」-。自身や身近な人の感染で慌てないために、両市担当課に対処法などを聞いた。(真鍋 愛)
■症状が出たら
発熱などの症状があれば、かかりつけ医に電話し、受診を相談する。かかりつけ医がない人は、県のコールセンター(TEL078・362・9980)に連絡するか、県がウェブサイトで公表している「発熱等診療・検査医療機関公表一覧」を利用し、予約する。感染拡大を防ぐため、連絡なしの受診は控える。
症状が軽く、基礎疾患がないなど重症化リスクが低い人は、県が配布する抗原検査キットで陽性の有無を確認できる。陽性者は、県の「自主療養登録センター」に登録すれば、証明書が交付される。
検査キットは、県のウェブサイトから申し込める。県から委託された丹波篠山、丹波両市も受け付けており、丹波篠山市は市ウェブサイトから、丹波市は市コールセンター(TEL0795・82・9570)から、それぞれ申し込む。丹波市健康課は「キットは渡せても薬は処方できない。医療機関の方が検査の精度が高く、まずは受診を考えて」と呼びかけている。
■濃厚接触者
無症状の濃厚接触者は原則、陽性者と最後に会った翌日から5日間、不要不急の外出を避ける。自宅待機から2日目と3日目に、薬局が販売する薬事承認を受けた抗原定性検査キットを使って、陰性であれば解除される。
両市には、無症状の濃厚接触者から「職場から検査するよう言われたが、キットが手に入らない」などの相談が多数寄せられている。
県のキットの申し込みは、無症状の濃厚接触者は対象外。国や県は自前で用意し、検査するよう案内しているが、欠品で販売していない薬局も多い。
丹波篠山市健康課の担当者は「国の指針では、検査ができなくても、5日間の自宅待機が過ぎれば職場に復帰できる」と説明している。
■自宅療養者
県は、食料などの入手が困難な自宅療養者に、生活必需品を無料で支給している。配布は丹波篠山、丹波両市が担う。
県は丹波健康福祉事務所を通じ、自宅療養者向けの相談窓口(番号非公表)を電話や携帯電話のショートメッセージで案内している。食料などの入手が困難な場合、窓口から生活必需品セットを申し込める。
両市によると、「第6波」以降、丹波篠山市は300世帯以上に、丹波市は500世帯以上に配った。「第7波」以降は両市とも、ほぼ毎日職員が配達している。
丹波市社会福祉課は「8月に入って急激に依頼が増えた。親類の支援を受けにくい核家族や若い世帯が多い印象」とする。「濃厚接触者は短時間の買い物もできる。万が一に備え、10日分の生活必需品を家庭で備蓄してほしい」と呼びかけている。