兵庫県・丹波地域の7つの酒造会社がタッグを組み、それぞれの銘酒を一つにブレンドした日本酒を初めて商品化した。新型コロナウイルス禍を受け、人気が高まっているキャンプに着目。携行しやすい小ぶりな缶ボトルを容器に採用した。全国的にも珍しい試みといい、日本酒の消費量が低迷する中、新しい客層の開拓を図る取り組みとして注目される。(那谷享平)
商品名は「丹波七蔵ゴールデンミックス」。丹波・篠山酒造組合(1928年設立)に加盟する西山酒造場▽鴨庄酒造▽山名酒造(いずれも丹波市)▽狩場一酒造▽黄桜丹波工場▽櫻酒造▽鳳鳴酒造(いずれも丹波篠山市)-の日本酒を混ぜ合わせた。
「キャンプと絡めて何かできないか」。商品開発は今春、同組合の山名純吾代表理事(62)の発案で始まった。加盟する蔵元は歴史的に良好な関係を築いており、前例のない試みでも西山酒造場を中心にスムーズに計画が進んだという。
ただし、個性の異なる日本酒を混ぜた味は未知数。品質鑑定の専門員である大阪国税局鑑定官に協力を仰ぎ、混合する比率の候補を絞り込んだ。さらに各蔵で投票をした結果、ゴールデンミックスは、穏やかな辛口に仕上がった。
西山酒造場の西山周三社長(49)は「それぞれの蔵が単独では出せない味になった。既存の商品と差別化できた」と満足げ。山名代表理事は「秋からのキャンプシーズン。たき火で燗にするのがお勧め」と話している。1万本限定だが、追加製造も検討する。
180ミリリットル(税込み550円)。販売は10月1日から。小売店やインターネットの特設サイト(https://tamba7kura.com)で、予約受付中。
商品化は、国税庁の消費喚起事業を利用した丹波・篠山酒造組合のキャンペーンの一環で、同組合はキャンプと絡めた催しも企画。10月7~28日の金曜、土曜日には、キャンプ場「丹波悠遊の森」(丹波市柏原町大新屋)で、特設の日本酒バーを営業する。詳細は特設サイトで。
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