えいとくん(オス・4歳)は、野良の子猫だった。岐阜県に住むHさんの家族がゴミを捨てに行き、帰ろうとすると、ずっと後ろを付いてくる子猫がいた。それがえいとくんだった。数日後に台風が直撃すると言われていたので、見かねて家に連れて帰ってきたという。
Hさんは、犬やハムスターや金魚など様々な動物を飼育していたが、2017年の夏に十数年飼っていた愛犬を持病で亡くした。愛犬の手前、新しい子を迎える気持ちにもなれなかった。しかし、愛犬がいなくなったことによる虚しさも感じていて、そんな時にえいとくんが現れた。
最初は譲渡先を探す予定だったが、家族全員が子猫の可愛さに負け、家族として迎えることにしたという。
「推定月齢から考えて、愛犬の命日から丸一年後に生まれたことが分かり、その他にも『犬の生まれ変わりなのでは』と思わせるような共通点がいくつもあったため、縁を感じたことも決め手になりました」
■運命の子
えいとくんは小さな身体だったが、エネルギーは有り余っていて、暴れ回るえいとくんの相手をするには、かなり時間が必要だった。噛み癖がかなりあり、何か嫌がることをしたわけでもないのに、突然腕や脚に噛みつかれることも何度かあった。Hさんは、どうしつけをすれば良いのか、途方に暮れたという。
「寄生虫の駆除も一筋縄では行かず、お尻からマンソン裂頭条虫を出しながら不安げに鳴いていました。何もしてあげられず、もどかしさを感じたこともあります」
えいとくんは、後輩猫のふくくんが来てからは一見大人びた振る舞いを見せるようになった。しかし、実は甘えたがり。何よりもちゅーるが好きで、家族がお風呂から上がるとちゅーるをくれるので、家族の入浴中は脱衣所で待ち伏せているそうだ。
Hさんは、えいとくんを飼ってから早起きになったという。無理に起こされるので、起きざるを得ない。特にご飯がない時は顕著で、他の家族の身体に飛び乗って起こすこともある。
「私もえいとと一緒に寝ると、早朝に頭をぶつけて起こしてくれるので、有難いこともあります(笑)」
猫のおもちゃやおやつを見かけると、「これが好きかな…」と考えるというHさん。あの時保護していなかったら、台風で命を落としたかもない。Hさんは、そんなえいとくんに、運命を感じているそうだ。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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