9月18日、京都市内で『犬の車椅子試乗会』が開催されました。まだまだ見慣れない、聞きなれない犬の車椅子ですが、動物医療の進歩や生活環境の改善等により平均寿命が飛躍的に延びている犬とその家族にとって、「老犬」「介護」「認知症」といった言葉は他人事ではありません。
高齢になれば多くの犬が脚の筋力の衰えに直面しますし、病気やケガで自力歩行が難しくなる子もいます。いつ車椅子が必要になるかわからないのです。今回の試乗会は「今まさに車椅子を必要としている子」はもちろん、「まだ自分で歩けるけれど、いざという時のために準備しておきたい子」のために企画されました。そして、日本犬に多いと言われる認知症による“夜鳴き”などに悩む家族のためにも…。
認知症になると昼夜が逆転し、夜中に動きたがる犬が少なくありません。動きたいけれど思うように動けず転倒し、「助けてー」と大きな声で叫ぶ子も。そんなとき車椅子で体を支えてあげることができれば、転倒を防げる→夜鳴きが減る→家族の負担軽減、というメリットもあるのです。「犬に車椅子ってやり過ぎじゃない?」という声も聞かれますが、犬のQOL(Quality of Life=生活の質)だけでなく、共に暮らす人間のQOLも上げてくれるならば、試してみる価値アリではないでしょうか。
■犬の車椅子を作って25年
試乗会には17頭のワンちゃんが参加。その1頭1頭に合うようサイズを測り、使い方などのアドバイスをしていたのは、『犬の車椅子バックヤードファクトリーぶる』の木皮眞澄さん(69歳)です。犬の車椅子製作に携わって四半世紀だそうですが、きっかけは愛犬がケガで歩けなくなったことでした。
「当時はアメリカ製のものしか見つけられず、高額でした。残念ながら購入前に亡くなってしまったのですが、ずっと気になっていて。ある時、大阪で作っている方がいると知り見学に行ったんです。水道やガスの設備工事の仕事をしていたので、その経験を生かせば自分にも作れそうだと思い、教えてほしいと頼み込みました」(木皮さん)
仕事の合間に作ってモニター募集をすると、山口県岩国市から応募がありました。ダックスフントが立てなくなり、病院へ行っても原因不明。ケージの中で寝たきりだったそうですが、木皮さんの車椅子を使ってしばらくすると自力で立てるようになり、さらには少し歩けるようにもなったとか。大きな喜びとやりがいを感じた木皮さんは、定年退職後に本格的に車椅子作りを始めました。
■より使いやすく「お試し制度」導入
大切にしているのは軽さと強度の両立。そして気軽に使える料金設定です。『ぶる』にはお試し制度があり、1か月3000円台から利用可能(料金はサイズや形状により異なる)。お試し期間終了後は買い取りか、レンタルか、返却かを選ぶことができます。「これまでの経験上、1%の子は車椅子を拒否します。乗ったとしても歩いてくれなければ意味がないので、お試しのシステムを設けているんです。もちろん、その段階からフルオーダーで、それぞれのワンちゃんに合った車椅子を作りますよ」(木皮さん)。
そう、『ぶる』の車椅子はフルオーダーメイド。試乗会では犬の体高や体長に合わせた様々なサイズ、前脚が使える子と使えない子で2輪車と4輪車、さらにはアゴを乗せるバーが付いたタイプなどいろいろな車椅子が用意され、それぞれの犬に合うものを木皮さんが見立てて試してもらっていましたが、それをそのまま納品するわけではありません。会場で採寸し、要望なども聞いた上で、“オンリーワン”の車椅子を現在、製作中なのです。
試乗会には様々な犬種、様々なサイズ、様々な事情を抱えた犬たちが集まっていました。車椅子初体験の子がほとんどで、最初は固まって動けない子もいましたが、慣れてくると気持ちよさそうに前へ前へ。リードを持つ家族の顔を見上げるその表情は、どこか誇らしげに見えました。
【犬の車椅子バックヤードファクトリーぶる】
住所:京都府亀岡市本梅町西加舎クボラ13
電話&FAX:0771-26-5321
(まいどなニュース特約・岡部 充代)
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