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遺族アンケート 子の死 36%受け入れ難く
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 阪神・淡路大震災から15年を前に、神戸新聞社は、震災で家族を亡くした人たちを対象に、アンケートによる調査を初めて実施した。303人が回答し、そのうち子どもを失った遺族は3人に1人が、その死を今も受け入れられないと感じ、とりわけ深刻な影響が続いていることが分かった。また「経済的、精神的な理由で今も生活に影響がある」との項目に、回答者全体の半数が「当てはまる」と答えた。

 調査は昨年11~12月、遺族約600世帯に質問用紙を郵送した。

 現在の心境を聞く「家族、親族の死を受け入れられたと感じる」との項目に、「全く当てはまらない」「あまり当てはまらない」と答えた人は計36・2%。ほかの家族を亡くした遺族よりも際立って多く、逆縁となった遺族のつらさを映す結果となった。

 27歳の次女を亡くし、「全く当てはまらない」と回答した70代の女性は〈もう大丈夫かなと思いながら、震災が近づくと新聞やテレビで特集が報道され、見るとたまらなく涙が出てきます〉と、自由記述欄に書いた。

 また、19歳の長女を亡くし、丹波市に住む60代の女性は〈話し合える人もなく暮らす中で、人に言えず苦しんでいる〉と記した。震災当時はグリーフ(悲嘆)ケアへの関心も低かったため、支援の手が届かないままのケースも多いとみられる。

 また「1月17日が近づくと体調や感情が不安定になる」との設問で、子どもを亡くした人は「よく当てはまる」「少し当てはまる」の合計が過半数を占め、これもほかの遺族と比べて多かった。

 一方で「死を受け入れられたと感じる」との設問に、子どもを亡くした回答者のうち「よく当てはまる」「少し当てはまる」と答えた人の合計も半数強あり、一人一人受け止め方が違うことをうかがわせた。

 なお「今も生活に影響がある」との設問では、配偶者を亡くした回答者の36・4%が「よく当てはまる」と答え、子どもを亡くした回答者の27・5%を上回った。(小西博美)

2010/1/8

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