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「福島の復興と神戸の復興」をテーマに討論する参加者たち=神戸市中央区、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO=きいと)
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「福島の復興と神戸の復興」をテーマに討論する参加者たち=神戸市中央区、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO=きいと)

 阪神・淡路大震災や東日本大震災を経験した神戸と福島のNPO関係者らによる討論会「福島の復興と神戸の復興」がこのほど、神戸市中央区であった。赤坂憲雄福島県立博物館長やFMわぃわぃ(神戸市長田区)のパーソナリティー金千秋さんら15人が、被災地で活動を継続していく方策や、今後のあるべきエネルギー政策などについて意見を交わした。(堀井正純)

 東日本の被災地を描いた、画家加川広重さん=仙台市=の巨大絵画展(17日で終了)の関連企画。福島からは赤坂館長のほか、NPO関係者ら3人が参加した。

 阪神・淡路後、神戸で文化面での都市再生を研究する藤野一夫神戸大教授は、大阪万博のあった1970年に営業運転を開始した原発・敦賀発電所に触れ「国家的イベントの背後にはエネルギー政策との癒着がある。東京五輪によって福島の被災が忘れられ、隠蔽(いんぺい)される」と危機感を表明した。

 これに対し、赤坂館長は、五輪はナショナルなものとして社会を動かし、今後原発の安全性からはみだすような情報の発信には兵糧攻めが始まる、と懸念を示した。

 エネルギー問題については、この10年で急速に再生エネルギーの利用が進んだドイツの事例が紹介され、日本国内での電力融通のためにも、東西で周波数をそろえることの必要性を強調する意見も出された。

 神戸側の参加者の多くは、自分たちがどんな経緯、動機で被災地支援の活動を始めたか、組織継続のための財政面での工夫などについて紹介。震災後、「寄付の文化」が根付いたかもテーマとなった。NPOの活動への理解が進み、状況は改善されているが、実吉威(じつよしたけし)・ひょうごコミュニティ財団理事は「協力しようという人は多いものの、まだ実際に寄付する人は少ない」と指摘した。

 福島側からは、現地のNPOの多くは、行政からの支援金で動いており、それが途絶えた場合、活動継続が危ぶまれる現状を訴えた。

 鎌田千瑛美・ふくしま連携復興センター理事は、原発や放射能をめぐる価値観の違いや賠償金によって、コミュニティーが分断されている現状を語り、「食や農業など身近な生活からの見直しが必要」と指摘。飯舘村出身の佐藤健太NPO法人ふくしま新文化創造委員会代表理事は、被ばく状況を記録し、証拠として残すための「健康生活手帳」を仲間とつくったことなどを紹介。また「支援を受ける立場からの脱却」について語った。

2014/1/21
 

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