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街区完成から10年を前に〝再生〟への挑戦が始まった新長田駅南再開発第1地区=神戸市長田区(撮影・吉田敦史)
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街区完成から10年を前に〝再生〟への挑戦が始まった新長田駅南再開発第1地区=神戸市長田区(撮影・吉田敦史)

 阪神・淡路大震災からの復興まちづくり事業で誕生した神戸市長田区の新長田駅南再開発第1地区(国道2号南)で、集客低迷を打破しようと、店舗の配置を一新する試みが始まった。現在は、同市がテナント貸しする床と、震災前から営業していた権利者の床が無秩序に混在。再配置には関係者の合意形成や利害調整など難題が立ちはだかるが、街区完成から10年を前に、市と商業者が大胆な改造に挑む。(森本尚樹)

 同地区では商業床がある再開発ビル8棟が2004年3月までに完成。震災で大半の店舗が焼失した大正筋商店街が復活した。その際、生鮮関係は地下1階に入るなど一応のルールが設けられたが、権利者が希望区画を購入した後、売れ残った区画ではテナントが激しく入れ替わった。

 結果、食料品フロアに学校が入ったり、フロアの目立つ場所が倉庫になったりと、店舗配置は利用者目線とかけ離れた状態に。高層住宅の建設で地区内人口は震災前より増えたが、商店主の大半は市のアンケートに対し、「客数や売り上げが予想を下回っている」と答えている。

 こうした事態を受け、市は昨年末、「リボーン(再生)プロジェクト」を立ち上げた。戦略的な店舗配置案を含めた基本計画を、商業者らとともに14年度中にまとめる予定。国の支援も得て15年度にも、再配置と住民ニーズに即した新規テナント誘致に乗り出す方針を示している。

 だが、個別の財産である権利床を含めた再配置には、関係者全員の合意形成と、移動に伴う利害調整などが不可避となる。市はこうした調整を担うが、金銭的補償などが必要となる場合の財源も課題となりそうだ。

 同市市街地整備課は「来年迎える震災20年を前に、街の大きな節目となる取り組みにしたい。計画づくりの段階で多くの商業者や住民に関わってもらい、理想の配置に近づけたい」としている。

2014/2/6
 

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