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 地球温暖化対策を議論する国連気候変動枠組み条約の第25回締約国会議(COP25)がスペインで開かれている。来年から本格始動するパリ協定で積み残しになっていた実施ルールについて合意を目指す。

 温暖化に伴う気象災害や海面上昇、生態系の破壊は世界中で顕著になっている。現状の対策ではさらに激化すると予測されている。参加各国が地球の危機への認識を共有し、二酸化炭素など温室効果ガスの排出削減目標の上積みに踏み出すべきだ。

 パリ協定は、地球の気温上昇を産業革命前に比べて2度未満、できれば1・5度に抑えるのが目標だ。既に今年の平均気温は約1・1度上回っており、現状のままでは今世紀末までに3度上がると世界気象機関は警告している。欧州議会は、温暖化対策が不十分として「気候非常事態」を宣言した。

 温暖化要因の石炭火力発電所を新設している日本には厳しい目が向けられている。先進各国が廃絶を掲げる中で、パリ協定を軽視する国との批判が上がる。9月の気候行動サミットで安倍晋三首相の国連演説が断られたことも明らかになった。

 世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」からは、世界を危険にさらす国として不名誉な「化石賞」に選ばれた。

 パリ協定の枠組みでは、石炭火力は建設しても早期に閉鎖せざるを得なくなる「座礁資産」のリスクも指摘されている。温暖化で深刻さを増すとされる猛暑や台風災害にも向き合い、国も企業も根本的に計画を見直すべき時ではないか。

 注目が集まるのは、パリ協定離脱を国連に通告した米国の動きだ。温暖化対策に力を入れるフェイスブックといった企業やカリフォルニア州などの自治体は代表団を派遣している。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんら対策強化を訴える若者らと連動し、トランプ政権との違いを鮮明にする。

 日本でも世界的な潮流に取り残されることに危機感を持つ企業や、気象災害への懸念を強める自治体は増えている。

 政府は、将来世代のための自然エネルギーへの転換に向けて具体的な行動を起こす意思を国際社会に示す責任がある。

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