日本高野連は投手のけが防止対策として、「1週間で投球できる球数を500球以内」とすることを決めた。試合日程も緩和し、3連戦をやめる。来春の第92回選抜大会以降、日本高野連と都道府県高野連が主催する公式大会で3年間、試行する。
長年の課題だった投球数制限に踏み切ったが、今回の見直しが十分な効果を持つかを見極めなければならない。
投手をはじめとした球児の負担軽減について、日本高野連は2013年の夏の甲子園大会から休養日を設けたほか、昨春の選抜大会からタイブレーク制を導入するなど、いくつかの取り組みを実施してきた。
投球数制限の必要性も度々、指摘されてきた。議論が本格化したのは昨年12月、新潟県高野連が春季県大会で1人の投手が1試合に投げられる数を100球までとする独自のけが対策を表明したことがきっかけだ。
今回の「週500球」は、高校野球の元監督や医師などで構成する日本高野連の「投手の障害予防に関する有識者会議」の答申に基づいた。
監督の中には慎重論も少なくない。投球数制限は複数の投手を擁する私立の強豪校に有利に働き、公立との格差が広がるとの指摘だ。相手投手に意図的に多くの球数を投げさせる戦術が広がり、フェアプレーが損なわれかねないとの懸念もある。
高野連は大会日程を緩和することでこうした意見に配慮した形だが、多くの選手が安全に野球を楽しみ、さらに職業としてのプロを目指す選手の将来を守るためにも、投球数制限は必要な措置だろう。
ただ「週500球」には医学的根拠がない。1試合単位で制限を設けるべきとの意見があるほか、効果自体を疑問視する専門家もいる。
小中学生大会の主催団体では既に球数制限を採用している例もある。今回のルール改正を第一歩とし、今後の柔軟な見直しを排除せず、球界全体として体系的に取り組むべきだ。
プロなどに比べ子どもたちの参加する大会日程が過密になっている競技は、野球以外にも少なくない。投球数制限を、より多くの競技で健康優先の議論を始める契機にしたい。








