社説

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 不透明な「原発マネー」の広がりと、闇の深さが浮き彫りになった。

 高浜原発(福井県)の工事などに絡む関西電力幹部らの金品受領問題で、第三者委員会が記者会見を開いた。関電役員やOBら700人超への調査は途上で、関電が求めた年内の結論は無理とした。多額の金品を提供した福井県高浜町の元助役ら関係者の多くが故人である状況での調査の難しさも強調した。

 一方で、「人数や金額でなく、もっと大きな広がりを感じる」などと述べ、ほかの関電の原発も対象に調査を進める方針を示した。

 第三者委は全容解明に向け、引き続き全力を挙げねばならない。

 問題は9月に報道で明らかになり、岩根茂樹社長らが1年前に作成していた社内報告書を公表した。自身を含む20人が、計約3億2千万円相当の金品を受け取っていたことを認めている。

 公益企業としての倫理観に欠ける長年の“慣行”が世間の反発を招き、会長の八木誠氏は引責辞任した。岩根氏は社内調査を取締役会にも報告せず、一部幹部で社内処分を決めた対応などが批判を浴び、第三者委の最終報告を受けて辞任する。

 調査のポイントは、関電役員らの金品受領が、工事発注の見返りだったかどうかだ。

 関電は、疑惑の中心にある元助役に原発関連工事の概算額などの情報を繰り返し提供していた。元助役が顧問を務めていたとされる建設会社は、競争入札なしの「特命発注」で多数の工事を受注し、急成長した。建設会社は元助役に手数料として約3億円を提供している。

 この件については、会社法の特別背任罪や収賄罪などに当たるとして今月、告発人3272人が八木前会長ら12人への告発状を大阪地検に提出した。

 関電の社内調査は、工事情報を繰り返し提供していた行為を「公正性の観点から認識が不足していた」と認めながら、発注プロセスは「適正」と結論付けた。調査に問題があるのは明らかだ。

 ほかに四つの企業が元助役を顧問や取締役などに迎え、原発関連事業の成功報酬などを払っていたとみられる。関電側へのマネーの還流の有無に踏み込んだ調査が求められる。

 大手電力が原発への地元の理解や協力を得るためとする対策費や匿名の寄付金などの実態は明らかにされていない。地元有力者との異常な癒着を生む温床となった原発事業の実態にメスを入れるのも重要だ。

 自民党の有力議員が元助役の関連会社から献金を受けていたことも判明している。原発と政治との関係にも迫らねばならない。

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