困難な中でも、憲法が保障する子どもの「教育を受ける権利」をどう守るのか。国の責任が今まさに問われる事態である。
新型コロナウイルスの感染終息が見通せず、学校休校をさらに延長する動きが広がっている。
兵庫県内ではきのう、県立学校に加え、神戸市、尼崎市、姫路市、明石市、加古川市、丹波市などの市立学校園が5月末まで休校することが決まった。
再開を心待ちにしながらも、「やっぱりそうか」と受け止めた子どもや保護者は多いだろう。学校現場のさらなる混乱も懸念される。
現時点で、子ども同士の感染は少ないといわれている。とはいえ、人の移動や至近距離での接触を減らして感染拡大を抑える観点からは、やむを得ない措置だろう。
しかし、緊急事態だからといって子どもたちの学習権が大きく制約されたままであってはならない。家庭への丸投げが続けば、「教育崩壊」すら招きかねない。
ウイルスとの闘いは長期戦が予想される。6月以降も休校が続く可能性をにらみ、たとえ登校できなくても学力保障や心のケア、友だちとの交流などが可能になる仕組みを、国は早急に整えるべきだ。災害時にも有効だろう。
安倍晋三首相による唐突な一斉休校要請から約2カ月。家庭や学校、地域による学習格差が広がっている恐れがある。多くの子どもや保護者が不安を募らせるのはそのためだ。
これまで重ねて指摘してきたように、ネットの活用は急務である。機器を持たない家庭に配慮しつつ、できることから挑戦してほしい。学校を支援する態勢が求められる。
国にはさらに、思い切った政策の検討を望みたい。
例えば、多くの国が採用している「9月入学・新学期」への制度変更が挙げられる。宮城県などの知事有志が全国知事会を通じて政府に提案する動きを示している。高校生や保護者からも賛同の声がある。
また、習熟別授業の導入も検討に値するのではないか。
再開時期が見通せないからこそ、学校には児童生徒との接点をしっかり保ってほしい。学校からの連絡も情報発信もなく、放置されていると感じる家庭は決して少なくない。
「子どもとの関わりをつくってほしい。先生方がどんな対策をしているのかが全く分からず、不安になる」「『頑張ってますか』という程度でいいので電話で話せたら親子とも心強いし、安心」。本紙に寄せられた保護者の切実な声である。
子どものSOSを見逃さないためにも、一層の工夫が必要だ。








