社説

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 東京都で新型コロナウイルスの感染者が再拡大している。新たな感染者はおとといに107人、きのうは124人が確認された。

 2日連続の100人超は緊急事態宣言下の5月2日以来となる。感染経路不明者も増加傾向にあり、赤信号に限りなく近い状況といえる。

 きのう会見した小池百合子都知事は「都として一層の警戒が必要だ」と述べ、感染リスクが高いとして対策を講じた店舗以外の「夜の繁華街」への外出を控えるよう、都民に呼び掛けた。

 新規感染者数は全国でも増え始めている。兵庫県でも1カ月続いた感染確認ゼロが、6月19日に途絶えた。都は政府とも連携して感染拡大阻止に全力を挙げねばならない。全国の自治体も再拡大への備えを改めて固める必要がある。

 都内の新規感染者は4月17日の206人をピークに、5月23日には2人まで減った。その後は増加基調に転じ、6月下旬から上昇カーブの傾きが急になっている。

 都が強調するのは、感染者が急増した3月や4月の状況とは異なるという点だ。6月の感染者は20~30代が約7割を占めており、若年層は比較的重症化しにくいという点を理由に挙げている。

 懸念するのは、感染した若い人が無症状のまま、家庭や職場などでウイルスを拡散させることだ。このまま感染者が増加すれば高齢者への波及も避けられず、重症者が増える可能性が否めない。

 都は従来の「東京アラート」を改めて、感染状況などを示す7項目の指標を公表したばかりだ。医療態勢が逼迫(ひっぱく)していないかに軸足を置く一方で、休業要請などの具体的な数値基準は設けていない。政府も経済への影響を考えて、緊急事態宣言を再び発令することには慎重な姿勢をとっている。

 日本経済にこれ以上大きな打撃を与えることはできないという判断だろう。それならば休業要請を検討する水準などを明確に示す方が、感染拡大阻止策の取り組みをよりいっそう促すことにならないか。

 日本からウイルスが根絶されたわけではなく、緊急事態宣言が解除されて社会活動が元に戻れば感染者数が増えるのは、十分想定された事態である。重要なのはいかに増加ペースを抑え、必要な医療を十分提供できる体制を構築するかだ。

 都道府県間の移動自粛要請が解除され、会食や帰省をきっかけに感染が広がったとみられる例も相次いで確認されている。

 東京にとどまらず、手洗い、マスク、3密の回避などの基本的な感染防止策を改めて徹底したい。

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