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 スーパーやコンビニなどの小売店を対象に、政府がプラスチック製レジ袋の有料化を義務付ける制度が、今月から始まった。使い捨てのプラスチックごみによる海洋汚染などを抑えるのが目的で、環境を保全する対策として推進したい。

 ただ、廃棄されるレジ袋の量はプラごみ全体の数%にすぎない。この有料化だけでは、プラごみの本格的な削減につながらないことは理解しておく必要がある。

 レジ袋の多くはプラスチックの一種であるポリエチレン製だ。海に流れやすく、ウミガメやクジラがのみ込んでしまう。また紫外線や波の力で微粒子状のマイクロプラスチックになり、それを食べた魚などに有害物質が蓄積する。人間も含めた食物連鎖に悪影響を及ぼすとされる。

 そのため各国では既に有料化や使用禁止に取り組んでおり、日本の対応は遅すぎたとの指摘もある。それだけに、消費者の意識や行動も早く変えていかなければならない。

 兵庫県内では生活協同組合コープこうべが1978年にレジ袋の再利用運動を始めるなど、先進的な取り組みが行われてきた。組合員のマイバッグ持参率は9割を超える。スーパーなどの呼び掛けもあり、持参率は全国的にも増える傾向にある。まずは一人一人が買い物バッグを持ち歩く習慣を身につけたい。

 今回、各事業者は1枚当たり1円以上の価格を設けることになった。一方、厚さ0・05ミリ以上で何度も使えるものや、植物由来のバイオマス素材の配合率が25%以上、あるいは海洋生分解性プラスチック100%の袋は有料化しなくてもよい。

 ところがバイオ素材や生分解性の袋について、国連環境計画(UNEP)は廃棄段階で温室効果ガスが発生し、地球温暖化などへの影響が大きいと指摘している。UNEPが分析したのは国外で流通する袋だが、規制が必要か検討が迫られる。

 日本は年間約900万トンのプラごみを出し、1人当たりの排出量は米国に次ぐ。国内で処理できないプラごみは、リサイクル資源として輸出してきたが、中国が2年前に輸入を禁止し、東南アジア諸国も規制を強めた。そのために行き場のないプラごみが増えており、抜本的な対策は急務である。

 国内から出るプラごみの半分以上は建設廃材などの産業廃棄物が占めるという。家庭ごみにも食品容器やペットボトルなどが含まれる。

 フランス政府は、2040年までに使い捨てのプラスチック容器を全廃する目標を掲げた。日本でも今回の有料化を契機に追加の対策を講じ、「脱プラスチック」を目指す規制強化を進めていくべきだ。

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