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 新型コロナウイルスの感染再拡大が、勢いを増している。きのうの新規感染者は東京都で460人、兵庫県でも60人を超えて、過去最多を更新した。大阪府も200人以上となった。国内全体では1500人を上回っている。

 ここで勢いを抑え込まなければ、感染爆発を招き、医療崩壊の恐れも否定できない。政府や全国の各自治体は「正念場」と捉え、総力を挙げて対応を急がねばならない。

 政府は新型コロナウイルス感染症対策分科会を開き、感染状況を4段階に分け対策を打つべきだとの提言をまとめた。尾身茂会長は、東京や大阪などが医療体制への負荷が蓄積しつつある2段階目の「感染漸増段階」に当たるとの認識を示した。

 では具体的に何をするのか。感染者の隔離には、数百の病床やホテルの客室を新たに確保せねばならない。必要なのは状況の定義づけより、感染者数の増加を抑え込むため先手先手を打つことではないのか。

 尾身会長は観光支援事業「Go To トラベル」に関連して、県境を越える移動についての見解を出す意向を示している。先週の4連休の旅行による感染例も目立ち始めており、お盆休みを目前にして明確な見解を早急に打ち出すべきだ。

 政府内には、4月の緊急事態宣言発令時より重症者数が少ない点を楽観視している向きがある。しかし懸念されるのは、全国の重症者数が7月30日時点で約90人と、約3週間で3倍近くに増えていることだ。

 感染者数が膨れ上がればその数もさらに増える恐れがある。保健所や医療現場への負担が高まっている地域が出始めている点にも留意しなければならない。

 吉村洋文大阪府知事は、大阪市内の特定区域で酒類を提供する飲食店への休業や営業時間短縮を要請することを決めた。小池百合子東京都知事も独自の緊急事態宣言や休業要請を検討する考えを示している。

 4月の緊急事態下では、十分な補償が得られない「自粛」に多くの事業者が苦しんだ。東京都医師会は「感染拡大を抑える最後のチャンス」と警告し、補償と法的拘束力のある休業要請を可能にするよう、新型コロナ特別措置法の早期改正を政府に要求している。感染拡大を抑え込むために、既存の施策の枠組みを脱却しなければならない。

 体調が悪くてもPCR検査が直ちに受けられないという例は後を絶たない。安倍晋三首相が検査の「目詰まり」を指摘してから、2カ月以上が過ぎている。首相が言う「徹底的な検査」でいち早く感染者を割り出すための態勢を政府がつくり上げねば、封じ込めは難しい。

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